天神学園のお忍びな面々
先輩は、白雪の貰って来たおむすびを見る。

「生憎と、母の握ってくれた握り飯を食った。昼飯は終わっている」

「……」

先輩に言われ、視線を下げる白雪。

あからさまに元気がなくなっている。

「……」

この際だから言っておくが、先輩は無愛想なだけなのだ。

それは、美緒に対する素っ気ない親切にも表れている。

別に冷血人間という訳ではないのだ。

だから、こういう顔をされると困ってしまう。

困った果てに。

「…………あ」

先輩は白雪からおむすびを取り上げ、一口に頬張る。

「……いい握り方だ。飯粒がほぐれる。エレナという奴はなかなかに料理が上手い」

エレナが喜びます。

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