天神学園のお忍びな面々
強烈な衝撃と共に、弾かれる牡丹一文。

思わず仰け反った牡丹は、転倒しそうになるのを踏み止まった。

「無茶をする。崩れた姿勢から強引に打てば、筋肉や腱を痛めるかもしれんというのに」

「…はぁ…はぁ…」

僅かに呼吸を乱す甲斐。

しかし、得るものがあった。

決定的な隙を埋める、連続のアッパー。

これは、決め技への布石になり得るかもしれない。

そして。

「そうでなくてはな。俺も得るものがあるというもの」

牡丹は柊を納刀する。

「……………………牡丹」

一部始終を見ていた白雪が、小さく呟いた。

「貴方は……甲斐を、仮想先輩として見ていたのね……先輩と戦い方の似ている甲斐を……」

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