天神学園のお忍びな面々
「さてと…」

甲斐は、各種薬剤を取り出す。

「薬湯を煎じておきます…美味いものではないですが、良薬口に苦し…我慢して飲んで下さい…」

「うん…分かったよ甲斐君…」

ベッドの中で、美緒は素直に頷く。

「それで…」

甲斐は少し困ったように、ベッドの美緒を見た。

「扁桃腺が腫れていないか、肺炎を併発してはいないか、少し診察します…」

「うん、お願いね、甲斐君」

「ついては…」

ますます困った顔の甲斐。

「…服の前をはだけて頂きたく…」

「…………えっ?」

その意味を悟り、美緒の顔が真っ赤に染まる。

決して熱のせいではあるまい。

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