天神学園のお忍びな面々
「だから離れて戦えと言っただろう」

声がする。

同じく道場で汗を流した牡丹が、そこにいた。

剣道着を片肌脱ぎ。

無意味に肌を露出する辺り、流石紫陽花の息子、無自覚な変態。

「な、何を脱いでいるのですっ!早く着なさいなっ!」

頬を染めて顔を背けるエレナ。

「それに、離れて戦えとは何ですっ!私はリュークとの果たし合いには勝利したのですっ、そのような忠告を受ける謂れは…」

「お前はリュークの心の内に踏み込み過ぎた。距離を取っていれば、憧憬程度で済んだものを」

牡丹は言った。

「だから泣く羽目になる…娘らしくていいがな」

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