天神学園のお忍びな面々
「フラれた私を愚弄するのですかっ!」

激昂し、エレナは立ち上がる!

「私は夕城流指南役・夕城 エレナですよっ!」

「その前に女だろう、娘だろう」

「夕城流剣士である事に、女も娘も関係が…」

「違うな」

牡丹は不意に詰め寄り、エレナの手を摑んでグイと引き寄せた。

「夕城流剣士である前に、お前は女であり娘だ。女であり娘である事は、恥でも弱さでもない」

「……」

「そして女が失恋の痛手に泣く事は、恥でも弱さでもない」

それは牡丹なりの、ぶっきらぼうな優しさ。

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