天神学園のお忍びな面々
「エレナ」

チン、と鍔鳴りの音をさせ、牡丹は柊を納刀して踵を返した。

「このチビ助、育ててやれ…使える」

「え?な…何を言うのですかっ!育てるかどうかは、指南役の私が決める事ですっ!」

捲し立てるエレナも気にせず、牡丹は続ける。

「その身のこなし、必ずや夕城流の役に立つ。世が世なら、密偵…隠密剣士に打って付けというほどの人材だ」

「確かになぁ」

龍鬼が顎を撫でながら言った。

「韋駄天持ってリュークを滅多切りにしたエレナの親父さんを、弱くした感じか。体捌きはよく似てやがる。1発くれてやるのも難儀だぁな」

「…流石夕城の宿敵だな。丹下の血筋は的確に強者を見定める」

龍鬼と視線を交わし、牡丹は互いに笑い合う。

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