天神学園のお忍びな面々
「それでは」

片膝をつき、紀州とテリアは告げる。

「勅使河原将軍の命により、『番犬』紀州とテリア、これより天神学園での任務に就きます」

「おう」

「気を付けてね、2人とも。行ってらっしゃい」

「「は」」

言うなり。

2人はまるで疾風のようにその場から散った。

隠密と武道家の特性を持つ、番犬の隊員ならではの動きだ。

…休む間もなく任務続きで、申し訳なさはある。

が、戦地に送り込む訳ではないので許してほしい。

彼らもまた、先の戊辰大戦での犠牲者だから。

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