天神学園のお忍びな面々
頭痛が酷い。

ぞわぞわと、背中を蟲が這い回るような感覚。

落ち着かない感情が、龍鬼を苛つかせた。

押さえ込むだけじゃ物足りないだろう?

絞め上げろ、捻じ切れ、へし折れ。

この生意気な作り物の人外を、物言わぬ肉塊に変えてしまえと。

体に流れるどす黒い血がざわめいて騒ぎ立てる。

殺意が声を上げて嗤う。

昂る破壊衝動、殺戮衝動。

こんなに長時間、吸血鬼と悪魔の血を覚醒させたのは久し振りだ。

意識が飛びそうになる。

紀州を押さえ込む事よりも、意識を保っている事の方が苦痛だった。

このまま身を任せ、衝動のままに紀州の背骨を軋むままに砕いてしまいたくなる。

「駄目だっ…もうっ…!」

目の前が白く、黒く、明滅する。

最早これまで。

意識が…彼方へと飛んでいく…!

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