天神学園のお忍びな面々
怪我や出血はあるものの、全員が無事。

降って湧いた天神学園での戊辰大戦最終兵器の暴走は、甚大な被害を出しつつも1人の犠牲者もなく終結した。

本来ならば、敵の拠点を丸ごと消し去る為に投入される呪術兵器・犬神。

それを相手取ってこの程度の被害で済んだのは、寧ろ僥倖というべきだろう。

戦闘の発端であり中心地となった学食は全壊、学園校舎の各所も半壊状態だが、幸いにして生徒、教師、関係者に怪我人は無し。

リューク達戦闘に加わった者達の怪我も、命に別状はない。

「血が足りねぇ…」

龍鬼がフラフラしながら言う。

「貴様は足りんくらいで丁度いい」

柊の血糊を拭い、納刀する牡丹。

白雪が龍鬼に駆け寄り、傷口にハンカチを当てる。

焼け石に水程度の止血だが、その気持ちは嬉しい。

「本格的に治療を開始します。怪我人は片っ端から並んで下さいっ。まずはリューク!」

ディアが腕捲りしながら言う。

「いや、俺は超ヒノモト人化の疲労だけで、別に怪我は…」

「リューク!」

「いや、打撲や擦過傷はあるが、傷ならば龍鬼や蘭丸の方が…」

「龍鬼は只の出血多量でしょっ?リューク!」

只の出血多量て…。

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