天神学園のお忍びな面々
蘭丸が夜桜を、レオがイクリプスを抜いた。

何者かが潜んでいるのなら、それが悪意ある者ならば、守るのは彼らの役目だ。

リュークも拳を握り締め、ディアと美緒を庇うように立つ。

…引き摺る音が止んだ。

(皆動かないで)

美緒が目で合図する。

何かが。

奥にいる何かが、ゆっくりと石段を上がる音が聞こえてきたのだ。

ゴツ、ゴツと。

重苦しい足音が聞こえてくる。

一歩一歩踏み締めるように昇ってくる足音。

ゆっくりと、しかし確実に、足音はこちらに迫ってくる。

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