One Night Lover
梨沙の身体はあの頃より少しだけ柔らかくなった。

ガリガリで抱き合うと骨が当たるような身体だった梨沙は今の方が少しだけ抱き心地がいい。

それでも華乃よりももっと痩せている。

華乃を始めて抱いた時、女の身体が柔らかいと始めて感じた。

華乃は太ってはいないが肉感的で
それでいてウエストは締まっていてメリハリのある身体だ。

梨沙を抱きながら華乃の身体を思い出して
華乃を抱きたくなった。

正直、梨沙とのsexはそんなに良いものでは無かったが、梨沙自身は未だに魅力的だった。

昔はこの細い身体に夢中になって
梨沙を壊してしまうんじゃないかと思うほど
何度となく、昼夜構わずそれを求めた。

今の自分には到底出来ないが、
学校も行かず朝から晩まで梨沙をベッドに縛り付けた事もある。

それがしたかったって言うのもあるが
梨沙と寝てないと常に不安だったというのが大きな理由だった。

梨沙が自分の腕の中にいる間だけは梨沙が自分だけのモノだと思えた。

華乃と結婚して落ち着きたいと願ってた今の自分は
少しも変わってないと思うと健は情けなくなった。

「梨沙さん、俺の元婚約者…かなりいいモノ持ってます。

才能を埋もらせたく無いんです。

でも俺のせいで今の場所にいたら…彼女はデザインを諦めるしかなくなると思う。」

梨沙は下着姿のままタバコをふかして、黙って健の話を聞いていた。

自分を抱いた後にそんな話をするなんて普通なら興ざめだが、
梨沙はそんな健を可愛いと思う。

「連れてくればいいんじゃない?

一度見て…良かったらウチで使う…それでいい?」

やはり梨沙は今でもカッコよくて、健はここに来たことを後悔せずに済んだ。

健は返事をする代わりに梨沙にキスをした。

もちろん2人ともやり直そうとは思ってない。

それはいつまでも引きずっていた昔を断ち切るために
お互いを綺麗に忘れるためにする儀式みたいなモノだった。






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