イケメンエリート、愛に跪く



愛は、舟がこの海が一番好きとう理由が分かった。
岩場の近くにビニールシートを敷き、そこからビーチ全体を見渡してみる。
真っ白い砂浜と緑が生い茂る森が共生していて、そして、どこのビーチよりも濃い色の青い海がある。

そのコントラストは見ている者のため息を誘う。それほど美しい風景がそこにあった。

今日は奥の方で家族連れが楽しそうに泳いでいる。
波が少し高いせいで、子供達のキャッキャと騒ぐ声がこちらまで楽しくさせた。


舟は愛の手を取り、ゆっくりと海の方へ歩いて行く。
でも、愛の方は、いつものデニムのビキニタイプの水着を着て、舟の思いとは裏腹に小走りで海の中へ行こうとした。


「愛ちゃん、この海は波が高いから用心しなきゃダメだよ」


舟がそう言った直後に、大きめの波が打ち寄せてきた。
舟はすかさず愛を強く抱き寄せる。
波に足を取られふらつく愛を、舟は笑いながら抱きかかえた。

愛は目を丸くして舟にしがみついている。


「海は波がある方が楽しいだろ?
だって、こんな風にいちゃつけるんだから」


舟はそう言いながら、しがみつく愛にキスをする。
泡立つ波の白さが真っ青な海の色に溶け込んでいくように、舟は愛の首筋に何度もキスをした。








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