自分で決める!!!
「だって、姉ちゃん。
住む所ないだろ」
「そうなんですか?」
「うん。確かに住んでた部屋は引き払ったけど。
住む所ならあるから。友達の家に行くから」
「友達居ないだろ」
「居るから!
少ないだけだから!!」
「独身の友達は居ないだろ」
「居…ないけど…」
「結婚してる友達の家に行くつもりか?
迷惑だろ」
「うん……。行かない…」
「なら」
「ホテルに行くから」
「ホテルは金かかるだろ」
「うん。金ならあるわよ。
今までコツコツ貯めてきた貯金が…」
「貯金通帳とキャッシュカードはこの中だよな」
「うん……。って。
あんたいつ私のバッグを取ったのよ!!」
直之の右手にはさっきまで持っていたはずの私の黒のバッグがあった。
「返しなさいよ!!!」
「返すよ。
進の家に行くなら」
「返しなさい!!!」
「一週間だけじゃん。
進と一緒に居てくれよ」
「直之!!!」
「姉ちゃん!!!」
「進くん。取って!!!」
「はい」
「待てよ。進。
バッグを返したら、姉ちゃん、ホテルに行っちまうぞ。
そしたら、姉ちゃんと一週間一緒に居れなくなるんだぞ? それでも良いのか?」
「良くないけど」
「なら」
「それでも」
進が直之から黒のバッグを取ると
「由子さんが僕に頼んだから」
私に黒のバッグを返してくれた。
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