お気の毒さま、今日から君は俺の妻

 澄花のことを実の娘のように思ってくれる、あの善良な人たちのことを思うと胸が締め付けられる。彼らは息子を失ってからもずっと、澄花のことを気にかけてくれている。


(あの人たちが生きている間は、自分も頑張って生きよう……).


 澄花はいつもそう思い、日々をどうにかやり過ごしている。


「先輩、ケーキ、私たちも並びましょう」
「そうだね」


 一瞬物思いにふけっていた澄花だが、珠美に言われてふたりでケーキの列に並ぶ。

 さらに作成者である真琴が、この会場のどこかにいるのではないかとふたりできょろきょろ探してみたが、姿は見えなかった。
 おそらくどんどん美しいケーキが運ばれてくる様子から、きっと厨房は戦場になっているに違いないと、珠美と納得した。


< 23 / 323 >

この作品をシェア

pagetop