❆LastChristmas❆
しばらくして、書類作成が終わった。


勤怠を切り、そして帰る支度をした。


佐藤はもう、デスクには居なかった。


「さすがに帰ってるか…。」


そしてあたしは会社を出た。


エントランスを出ると、

「…え?」


外で佐藤が立っていた。


…何で。


もう遅いのに…。


ずっと待ってたの…?

佐藤は、白い息を出しながら立っていた。

(…佐藤。)

あたしは、バッグの紐をギュッと握った。


「佐藤…。」


あたしは、佐藤のもとへ走った。


「…お疲れ。」


「お疲れじゃないよ!何してんの!」


「細田の事、待ってた。」


「…何で?」


「…話したい事があるって言っただろ。」

「だからって…こんな所で待たなくても…。バカじゃないの!?」

「お前の為なら、待つぐらい出来る。」

(…佐藤。)

佐藤の言葉にドキっとした。

…でも

【クリスマスイブ、私も誘われたので♡】

昼に言われた、清水さんの言葉をを思い出した。

「…あのさ細田。」


「クリスマス」


「…え?」


「清水さんも誘ってたんでしょ?」


「は!?誘ってねえよ!」


「じゃあ何であの時、清水さんと話してたの!?」


「それは…。」
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