嫌い。だけど好き。
「なにをしているんだ!
早く あの男を止めろ!」
お父様が声を上げた。警備員が私達に近づいてくる・・・。

「お、おい!やめろって!」
私の目の前で警備員に押さえつけられる晃哉君。

「いや・・・いやよ。やめて。」
声が出てこない。晃哉君が、反発する所を警備員が押さえつける。

「や、やめて・・・やめてよ・・・」
警備員の動きは止まらない。
晃哉君は苦しそうに 動いている。

「やめて、やめて・・・・・・・・・やめて!!!!」
マイクを掴んで声を出した。
キィィィンと音をたてるマイク。

「やめなさいよ。晃哉君を離して!」
警備員達は結愛の剣幕に圧倒されて
晃哉を押さえる手を緩めてしまった。

「ほら、行こうぜ!」
隙をみて 警備員達から逃げ出し、
私の手をとって言う晃哉君。

「はい!」
久しぶりの笑顔がでた。
緊張していた筋肉がほころぶ。

私達は走り出した。目的地はない。
ただ、走った。
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