この恋が実るなら
「藤谷は、2次会行かないよな。寧々さんに頼まれたし、送ってくよ。」
「あ、はい。ありがとうございます。」
顔を赤らめて、藤谷が少し俯く。
俺は自分と藤谷の持ち物を持って、店から出ようとした。
「えー、藤谷さん、山口に送ってもらうの~?山口、抜け駆けすんなよ。山口じゃなくて俺が送ろうか?」
酔っぱらった隣のチームの笹野が絡んでくる。
「うるさいな。お前なんかに送らせたら藤谷が危ないだろ。俺は藤谷を無事に送り届けるよう、寧々さんから頼まれてるんだから。じゃぁな。」
酔っ払いを払いのけて、駅に向かった。