お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
「眠い。もう少し寝る」
「何言ってんの!今日は遅刻できないでしょ!」
幸せの余韻に浸りたくて目を閉じる。
だけど、容赦なく布団を引き剥がされた。
「私たちの結婚式なのに!」
そう、今日は俺たちの結婚式だ。
籍は先に入れたからもう彼女は『葉山桜子』になった。
なんだか、演歌歌手みたいじゃない?って彼女は言うけど、俺はぴったりだと思う。
彼女は仕事を続けて二人とも多忙な毎日だけど、休みの日は必ず一緒に過ごすようにしている。
共有する時間や思い出が増えるたび、彼女への愛が深くなっていく。
あと、この春彼女がデザインした『撫子桜』のワンカップサイズが出る。
たまたまテーブルに置いたままだったデッサンを盗み見た俺が恥ずかしがる彼女を説得して使わせてもらうことにした。
水のように澄んだ彼女らしい繊細で美しい水面に浮かぶ桜の絵だ。
それが店頭に並ぶ日が待ち遠しい。
「キスしてくれたら起きる」
ちょっと彼女を困らせたくて言ってみた。
きっとシャイな彼女は真っ赤な顔をして「バカ!」って怒るんだろう。
その反応も可愛いなと目を閉じて想像していると、ふと身体に何かが覆いかぶさる感触がして目を開ける。
彼女が俺に口づけをしていた。
合わさったのは一瞬で、開けた視界には茹で上がったタコみたいに赤くなった桜子。
「もう、起きて」
恥ずかしそうにお願いしてくる様に、俺は硬直した。
それから、いきおいよく彼女を抱きしめた。
「え?な、なに?」
「違う意味で起きたくなくなった」
「バカっ!」
暴れる彼女を抱きしめてキスを落とすと俺はそっと耳に囁いた。
「やっと捕まえた。絶対離さないからな」
END


