恋は盲目、愛は永遠
唯子との出会い (伊集院鈴太郎視点)
初めて彼女を見たとき、私は分かった。
やっと出会えた。恋人として・・・。

私の名前は伊集院鈴太郎。
高貴な家柄といわれる伊集院家に生を受けて43年。

異性はもちろん、同性にもなぜかモテる私は、交際相手に困ったことはない。
だがつき合う際、私の決め事に反している者は、たとえ好意を持ったとしても、つき合うことはしない。

たとえば相手が既婚者である場合。
そやつを離婚させればいいだけの話だから、私はそれでも構わないのだが、周囲が面倒だからやめておけと言う。
だが実際は、それでもいいからつき合いたいと思うような女性に出会っていないのが真実だ。

ちなみに言っておくが、ヘテロの私は同性とつき合ったことはない。
昔はよく女っぽいといわれたが、異性にしか恋愛対象は抱けない。
それに私は女っぽくふるまったこともない。
外見、というより顔立ちが、歌舞伎の女形のような妖艶さを醸し出しているとつき合っていた女どもに言われたことは何度もある。

「これで髪を伸ばせば、女形できますよ」と言われても、私にはその気がない。
だからそう言った女どもには、興ざめしてしまうので即別れていた。

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