恋は盲目、愛は永遠
横断歩道に女がしゃがんでいる。
最初点くらいにしか見えなかったときは、子ども・・・少女かと思った。
彼女の様子がおかしい。
信号が赤になっているのに、一向に動かない。
というより動けないのか。

大事な商談中だったにも関わらず、いつの間にか私はその少女に目を奪われ、気をとられていた。
だから運転手の倉田が急停車をしたとき、私はさっさと電話を切り、少女の元へ駆け出していた。

この私が少女を助けなければいけない。その一心だった。
< 124 / 298 >

この作品をシェア

pagetop