恋は盲目、愛は永遠
彼は私の顔の横に両手をついて、顔を近づけた。
私は咄嗟に目をつぶって顔をすくませると、彼は私の顎をつまんで顔を持ち上げた。

「可もなく不可もなくって思ってたけど・・・よぉく見るとキレイだね」
「いっ」
「ねえ、鈴太郎なんかのどこがいいの?」
「は・・・っ」
「本当は鈴太郎のこと愛してないんだろ?」と彼に言われた私は、思わずムッとして彼を睨んだ。

「な、なぜあなたにそんなことを聞かれないといけないんですか。それより手を離してくださ・・・あっ!」

彼が私のめがねを外した。

「ちょ・・・返してください!」と言って咄嗟に伸ばした私の両手を、彼は片手で押さえ込んだ。

や・・・鈴太郎さんっ!助けて!!

「ホントに見えないんだね」
「返して!」
「もうちょっと・・・ここなら俺のこと見える?」
「ぅ・・・」

もう泣きそうだ。
でもここで泣いたらこの人に屈してしまうと思ったから、必死で涙をこらえた。
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