恋は盲目、愛は永遠
その日の夕食はいただかなかった。

食欲がない。
でも鈴太郎さんが寝室にサンドイッチを持ってきてくれたので、結局それを二人で半分ずつ食べた。



「さて。今日は左近条俊也が来たそうだな」

きた・・・。
私は「はい」と言ってうなずいた。

「あいつに何か言われたのか。あれが帰った後、唯子が泣いていたと聞いたが」
「・・・友だちになろうと言われました」
「ふん。あいつの言いそうなことだ。で、断ったんだな?」

断ったけど、鈴太郎さんのその言い方が、今はカチンときた。
だからウソをついた。

「なぜ断らないといけないんですか」
「・・・唯子?」
「私は友だちを選ぶこともできないんですか」
「できる。だがあいつはダメだ」
「なぜ」
「一つ。あいつは男だ。二つ。あいつの性格上ダメだ」

なぜそれを聞いて理解できるのよ、私は・・・。
早くもくじけそうになったけど、まだ鈴太郎さんに屈したくなかった。
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