恋は盲目、愛は永遠
ここから逃げよう
悪夢の初夜の翌日の夜、鈴太郎(りんたろう)さんは私を抱かなかった。
それにホッとしている自分は、やっぱり逃げてると思った。



「今おまえを抱いているのは誰だ」
「ん・・・いやぁ!」
「答えろ。今おまえを貫いているのはどの男だ」
「・・・ん、りん、たろ・・・さん・・・やめて・・・」
「おまえは誰にも渡さない。唯子は私のものだ・・・」


それから3週間ほど、毎晩私は鈴太郎さんより先に眠っていた。
抱かれるときは、鈴太郎さんに無理矢理起こされた。

鈴太郎さんは私を抱くたびに、自分を私に刻み付ける。
荒々しく。
鈴太郎さんに5回抱かれても、私の体は痛みが、心は恐怖しか感じない。
独占欲むき出しの言葉は、私の心に突き刺さるだけだ。

そして鈴太郎さんが果てた後は、いつも鈴太郎さんに抱きしめられる。
「すまない」と謝罪の言葉を何度もつぶやかれながら。
最後私は、鈴太郎さんの腕の中で泣きつかれて眠ってしまう。
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