一途な社長の溺愛シンデレラ

「いや、べつにかまわない。丁重に断ってきたしな」

「大事な人がいますしね、結城さんには」

 まるで社長の答えがわかっていたように、三好エージェンシーのエースは言葉を続けた。それをひと睨みして、社長がさらに言葉をかぶせる。

「おまえにはまるで関係ない話だけどな」

 話にまったくついていけていない社員たちに気がついて、社長が大きく咳ばらいをする。

「で、竜崎。今日は何の用なんだ」

「またまたご挨拶だなあ。今日はお礼を言いに来たんですよ。このあいだ作ってもらったウェブサイト、大成功だったんで」

 やり手営業マンは苦笑をこぼすと、菓子屋の紙袋が置かれた共有テーブルをみやった。さっきから置きっぱなしになっていたそれは、どうやら竜崎の手土産だったらしい。

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