今宵、エリート将校とかりそめの契りを
今なら琴にもわかる。
あの夜、確かに手中にした総士の命にとどめを刺せなかったのは、優しい彼の不意を打ち、仇討ちしようとする自分を卑怯だと思ったからだ。
「ちが……総士さ、違う……」
暑くもないのに全身に汗が滲むのを感じながら、琴は震える唇を開いた。
しかし、カラカラに渇いた喉に引っかかった声は、酷く聞き取り辛く、総士の耳には届かない。
「黙れ。言い訳は聞かん。いいか、琴。お前が誰を恋い慕おうと、もうお前は俺の妻だ。他の男に身体を開くことは許さん!!」
今はなにを言っても、総士の怒りを煽ってしまう。
さらに怒声を畳みかけられビクンと震えた肩を、総士が痛いくらい強く掴んだ。
「きゃっ……」
その痛みに声をあげるのと同時に、琴の身体がぐらりと揺れる。
肩を掴んだ総士の手に押され、勢いよく後ろに傾いた琴は、ベッドに留めつけられるようにして押し倒されていた。
背中でベッドが軋む音を聞いて、反射的に固く目を閉じる。
振動が治まり恐る恐る目を開けた途端。
「っ……!!」
総士の両手が伸びてくる。
彼は琴の夜着の胸元を掴み、力任せに左右に開いた。
ビッと布を裂く甲高い音が、冷え切った寝室の空気までも引き裂くように響き渡る。
あの夜、確かに手中にした総士の命にとどめを刺せなかったのは、優しい彼の不意を打ち、仇討ちしようとする自分を卑怯だと思ったからだ。
「ちが……総士さ、違う……」
暑くもないのに全身に汗が滲むのを感じながら、琴は震える唇を開いた。
しかし、カラカラに渇いた喉に引っかかった声は、酷く聞き取り辛く、総士の耳には届かない。
「黙れ。言い訳は聞かん。いいか、琴。お前が誰を恋い慕おうと、もうお前は俺の妻だ。他の男に身体を開くことは許さん!!」
今はなにを言っても、総士の怒りを煽ってしまう。
さらに怒声を畳みかけられビクンと震えた肩を、総士が痛いくらい強く掴んだ。
「きゃっ……」
その痛みに声をあげるのと同時に、琴の身体がぐらりと揺れる。
肩を掴んだ総士の手に押され、勢いよく後ろに傾いた琴は、ベッドに留めつけられるようにして押し倒されていた。
背中でベッドが軋む音を聞いて、反射的に固く目を閉じる。
振動が治まり恐る恐る目を開けた途端。
「っ……!!」
総士の両手が伸びてくる。
彼は琴の夜着の胸元を掴み、力任せに左右に開いた。
ビッと布を裂く甲高い音が、冷え切った寝室の空気までも引き裂くように響き渡る。