きみに初恋メランコリー
「ふぅ……」
日曜日で賑わう街中を歩きながら、小さく息をつく。
気分転換に外でごはんを食べようと思って、結局予定よりも早く、昼前に家を出てきた。
今日は髪を緩く1本のみつあみにいているから、むき出しのうなじをさわやかな風が撫でる。
お昼ごはん、どうしようかなぁ……その前に、本屋さんに行こうかな。何か新しい小説が出てるかもしれないし。
そんなことを考えながら歩いていると、都合よく前方に本屋さんが見えてきた。
ちょうど自動ドアの目の前に立とうとしたところで、店内から人影が近づいてくる。
ガーッと音をたてながら開いたそれを、何気なくすり抜けようとすると。
「あ、花音」
「え? ……あ、」
唐突に自分の名前を呼ばれ、驚いて顔を上げた先にいたのは。
「刹くん」
「すっげぇ偶然だな。ひとり?」
「う、うん。刹くん、も?」
人目を避けるように店の入口横にある花壇の前に立って、刹くんと言葉を交わす。
当たり前だけど私服だったから、一瞬誰だかわからなかった。彼はスカイブルーのTシャツにほどよく色の抜けたジーンズという、ラフだけれどセンスのいい格好をしている。
日曜日で賑わう街中を歩きながら、小さく息をつく。
気分転換に外でごはんを食べようと思って、結局予定よりも早く、昼前に家を出てきた。
今日は髪を緩く1本のみつあみにいているから、むき出しのうなじをさわやかな風が撫でる。
お昼ごはん、どうしようかなぁ……その前に、本屋さんに行こうかな。何か新しい小説が出てるかもしれないし。
そんなことを考えながら歩いていると、都合よく前方に本屋さんが見えてきた。
ちょうど自動ドアの目の前に立とうとしたところで、店内から人影が近づいてくる。
ガーッと音をたてながら開いたそれを、何気なくすり抜けようとすると。
「あ、花音」
「え? ……あ、」
唐突に自分の名前を呼ばれ、驚いて顔を上げた先にいたのは。
「刹くん」
「すっげぇ偶然だな。ひとり?」
「う、うん。刹くん、も?」
人目を避けるように店の入口横にある花壇の前に立って、刹くんと言葉を交わす。
当たり前だけど私服だったから、一瞬誰だかわからなかった。彼はスカイブルーのTシャツにほどよく色の抜けたジーンズという、ラフだけれどセンスのいい格好をしている。