きみに初恋メランコリー
徐々に、彼女の白い肌があらわになっていく。

お互いの呼吸も乱れて、体が熱くなって。

彼女の頬をつたう涙の筋は、乾くことを知らない。


……それなのに。



「……っ先輩……っ」



きっと、初めてで。

こんなにも、震えていて。

それなのに彼女は、俺に触れられることで、とても幸せそうに、微笑む。

いっそ、腹立たしいほどに……彼女は、最低な行動をしているはずの自分のことを、許していた。

男の力を利用している自分のことを、許している。

……自分にだけ、許しているのだ。



「……ッ、」



──ああ、しまった。

そう思うのと同じだけ、胸に去来したのは突き抜けるような熱だ。



『……それでも、いいの?』

『それでも、いいです……っそばに、いられるなら』



……本当は、彼女が自分に、幻滅すればいいと思った。

自分のことがすきだと、そう打ち明けた彼女をあの場で拒むより、近くにいて、こんな自分に幻滅させて。

そして彼女の方から愛想をつかせて離れていくよう、そう仕向けようと決めたのに。

それが1番、彼女のためにいい方法なんだと、考えたのに。
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