きみに初恋メランコリー
晩飯を終えて、2階にある自室に戻る。

どさりとそのままベッドに背中から倒れ込むと、反動で、ベッドボードにあったスマホが枕の上に落ちた。

だけどそれを、直すことも億劫で。

俺はそのまま、右腕で目元を隠すようにしながら、深く息を吐いた。



「……?」



すると微かに、誰かが階段を上ってくる音が聞こえることに気がつく。

顔の上の腕をずらしたのとほぼ同時、出入口のドアが、ノックもなしに遠慮なく開かれた。



「あ、寝てた?」

「……まどか」



彼女が部屋の中に足を踏み入れ、ドアが閉じる。

つぶやいてから、俺は後ろ手をつきながら、上半身を起こした。


イライラ、どす黒い感情は、まだ消えない。



「んだよ今度は、またDVDか?」

「うっわー、機嫌わるー。おばさんも心配してたわよ」



俺の目の前に来たまどかは、そう言って呆れたような表情をしながら、両手を腰にあてた。

その偉そうな態度にまた苛立ちを募らせながら、「で?」と話を促す。
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