漆恋を解く僕たちは。
「そうですね…、『ドイツ語』なんていかがでしょう?」


「ドイツ語?雅也さんが教えてくれるの?」


「ええ、私は学生の頃にドイツに留学していて。

実は旦那様もそこを買って私を雇ってくださったんですよ。

旦那様のお仕事柄、お嬢様もドイツ語やドイツのことを学んでおいた方が良いとのお考えです。

お嬢様が学校を卒業なさってから、お屋敷で授業をさせていただく予定だったのですが…」


「素敵! ふふっ、とても楽しみ。すぐに始めてもいいかしら? 今夜にでもお父様にお願いするわ!」


「きっと旦那様もお喜びになりますね。

それに、語学を学ぶ事は新しい世界観を学ぶ事ですから。

きっと私の゛世界゛をお嬢様にお教えできるかと。」



雅也さんに何かを教えてもらえる────。


そのことがすごく幸せで、また一歩、雅也さんに近づいたことが嬉しくて。


『先生と生徒』という新しい関係がすごく大切なものみたいに感じた。
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