【完】ちょいワル先生と優等生


「そのマシュマロ美味しいでしょ?
もっと食べる?」





私の目の前にマシュマロの包装を見せびらかす。



美味しかった、美味しいのは認める。





「でも…」

「なんてったってマシュマロ専門店のだからな〜いつも列すごいし」





どんどんマシュマロに付加価値がついていく。





「持って帰るっていう選択肢は…」





カバンの中にお菓子がある時点でアウトだとは思うけど…


学校内で食べるよりは幾分かマシ…だよね?





「ダメ。
今ここで食べるか、お預けか」





そう言いながら先生は1個、また1個とマシュマロを口に入れていく。



もう手に残されたのはあと1個。





「いらないなら食べちゃおうかな〜」

「…ください」





あと1個、これを逃したらもう食べられないんだと思ったら…


気付いたらそう口に出していた。





「はい」





渡されるマシュマロを受け取ろうとして出した手を先生に掴まれて近くに引き寄せられる。





「…ワルイコ」





耳元で呟かれて、一気に顔が赤くなる。





「まぁ、まだあるんだけどね?」





ニヤリと笑う先生が取り出すのは1つの袋。


まだたくさんマシュマロが入ってると思われる。




…騙された。



人は、残り1つだと思うと買ってしまう…そんな心理があると聞く。





「じゃあね、マシュマロ好きのゆずちゃん」





その場にペタンと座り込む。



口の中にはまだマシュマロの甘さが広がっていた。

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