好きだよ。
まさかの展開
ピッピッピッピッ。

嫌な音が私の頭に流れる。

あーもう朝か。

カーテンを開けると心地よい日差しが部屋を照らす。

さっ、学校行こ。

支度をして家を出る。

1人で肌寒い道を歩く。

え…?


道の端でうずくまっている人…。

それは私の好きな人だった。

どうしよう。声かけた方がいいのかな。

困ってる?逆に迷惑?どうしよう。

「あの…大丈夫ですか?」

心配だから、声をかけてみた。

「え、あ、うん。」

なんて言ってるけど、明らかに顔色が悪い。

「ちょっと失礼しますね」

と言って、私は山田君のおデコに手を当てる。

あ、熱い。

「熱あるんで、送ります。家、どこですか?」

流石に病人をほっとくわけにはいかないよね。

「え、ちょっと」

なんて言ってゆっくり立ち上がる。

「早くしてください、悪化しますよ」

山田君の手を引いて歩き出す。

渋々家を教えてくれたが、まぁ豪邸で。

「親御さんは⁇」

「今日は仕事」

なんてだるそうに言う。

うん、やばいかもな。早くしとこう。

家に上がってベットに寝る山田君。

とりあえずタオルを濡らしておデコに置く。

「薬買ってくるので安静にしててください」

といって財布を出す。

「どうしてここまでしてくれんの?」

と、赤くなった顔で聞いてきた。

「こんなに熱のある人、ほっとけないですよ。」

好きだから、と言いそうになった口を押さえて家を出る。

とりあえず、智美には連絡しておこうかな。

『今日休みます』

私の家は親が仕事で県を離れてるから、休んでもばれない。

よし、薬買いに行こ。

見慣れない道を歩き出した。
< 4 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop