好きだよ。
〜翔ver .〜
「なんなんだ…あいつ…。」

俺はあいつが出ていったドアを見て呟いた。


朝だるくてうずくまってたら、話しかけてきたあいつ。

そこらにいる女子と同じか?と思ったら違くて。

軽く強引に家に返されたが…

普通そこまでするか⁇

名前は確か…宮本…咲だっけな?

翼が『めっちゃ可愛い!』とか騒いでた気がする。

でもそんな奴がなんで俺を…?

まさかアイツも周りの女子のように俺に近づこうって?

なんて思ってたら

「薬買ってきました」

なんて言って疲れた様子で帰ってきた宮本。

「おう、サンキュ」

コイツ確か同学年だよな?

「お前って確か、2年だよな?なんで敬語なんだよ。」

と聞いてみると

「うん、そうだよ」

なんて嬉しそうに答える。

なんで嬉しそうなんだ?俺なんかいいこと言ったかな

「まぁ俺、山田翔っつーから。敬語じゃなくていいよ」

軽く自己紹介しといたら

「知ってるよ。私は宮本咲。よろしくね」

宮本が俺の名前を知ってたことに驚いたがまーいい。

「あっ、とりあえず薬飲まないと。さ、早く早く」

なんて薬を取り出す宮本。

「ちょっと待て…それ、粉?」

俺は粉末状苦手なんだよ。

「え、粒だよ。」

「そ、よかった」

安心してると

「粉末苦手なんだね」

なんて言ってまた嬉しそうにする。

なんなんだコイツ…。

「気持ち悪りぃぞ」

なんて言うと

「えぇ」

なんていってしょぼんとする。

コイツ…面白いな。

「嘘だよ。薬サンキューな」

と言うと、

「今日は一日安静ね!」

なんていって笑いかける。

「おう」

ちょっとドキッとしたことは俺だけの秘密。
< 5 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop