甘すぎてずるいキミの溺愛。
窓から吹いてきた風で
先生の長い髪がぱさっと揺れて、
その髪を指で耳にかきあげた瞬間だった……。
「っ……!」
耳元に光る
きれいな色のピアスが見えてしまったのは……。
そう、それは……
紛れもなく、尊くんがいつもしているピアスと同じものだった。
どう、して……。
頭の中がさらに混乱してきた。
美郷さんは尊くんのお兄さんの彼女で……尊くんとは何もないはずなのに。
どうして、同じピアスを……。
「どうかした?」
「あ……いえ…えっと……」
「?」
「……ピアス…きれい、ですね……」
ぎこちない、震えた声で言うのがやっとだった。
「ピアス?」
不思議そうに首を傾げたと思えば。
急にフッと笑った。
そして。