甘すぎてずるいキミの溺愛。



サプライズでプレゼントを用意しようとしたのに。

尊くんの欲しいものがわからないまま、悩んだ1週間は無情にもすぐに過ぎてしまい。

さりげなく、欲しいものがないかと聞いてみても、いまいち反応がなく。

というか、尊くんってあんまり物欲とかがないような……。


結局……当日になってしまった。

今、わたしたちはショッピングモールの中のフードコートにいる。

正面で頬杖をついて、不思議そうにわたしを見ている尊くん。


「調子悪い?」

体調が悪いのではないかと心配されてしまった。

「う、ううん。大丈夫……あ!!」

急に大声を上げてしまった。


「ちょ、ちょっと待ってて!!」

「は……、どこ行くの?」

「すぐ戻るから!」

尊くんをその場に置き去りにして、フードコートを飛び出した。

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