甘すぎてずるいキミの溺愛。
だけどそれは全く効果がなくて
「……その顔けっこー好き」
「っ……!?」
そう言いながらわたしの手の甲をツーッとなぞる。
触れられたところが熱い。
尊くんに触れられるといつもドキドキして、それがすぐ顔に出てしまう。
「顔真っ赤だし」
「うっ……イジワル…!」
余裕な笑みでわたしを見つめるのもいつものこと。わたしはこの笑みに絶対敵わない。
「千湖見てるとイジワルしたくなる」
「意味わかんないよ」
尊くんは本当によくわからない男の子。
普段の尊くんはあまり人とは話さない。話すといえば、クラスでは戸松くんくらい。
なんでも尊くんと戸松くんは幼なじみらしく、尊くんのことをよく知っている男の子が戸松くん。