復讐をするまで忘れずに…

現在

「ここまでは全て、本川に聞いたことだ。
母親中心になっているが、本川はあの時にリビングルームに居た。そして、従業員で唯一、逃げたやつだ。」





安藤はそう言った。






「あと、ちなみに言っとくが、あの火事は、放火だった。本川が、三浦崇(みうら たかし)というやつと放火したらしい」




三浦先生と本川先生が…。




私はショックでたまらなかった。




私もあの時、お風呂に入って居た。




本川先生は中々連絡をつけようとしてくれなかった。




犯人だったからか。




みんなを助けようとしなかったんだ。





私たちはみんな不審に思って居た。




でも、本川先生は、怒ると怖いことで知られて居た。




みんな、何も言えなかった。




でも、本川先生はそのまま、私たちも置いて何処かに行ってしまった。




私たちは、近所の方に消防車と救急車を呼ぶよう、お願いした。



その後、消防車と救急車は来たが、本川先生と逃げた私たち以外は全員、遺体で見つかったという。




私は、「なぜあの時、本川先生を信じたのだろう。あの時あのまま去ってしまった本川先生を止めなかったんだろう。」と思った。




そういう後悔が押し寄せた。




ちなみに、三浦先生もあの日、『天空』に居た。



しかし、そのまま亡くなってしまった。




この間、安藤が殺そうと考えた人は、三浦先生の奥さんだった。




そんな人まで殺そうとするなんて。




私は、怒りを覚えたが、それと同時に、18年前の火事の真相を突き止めてくれた、安藤に感謝する気持ちもあった。
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