初夏猫

かごめかごめ

[あの日]

ワタシの運命の日

ワタシはいつものように住処の松林でニンゲンにエサをもらっていた。

ニンゲンに(警戒)はしていたつもりだが(キライ)ではなかった。

いつもお墓参りにくる近所のおばあさんは毎日頭を撫でてくれるし、
ジョギングをしているおじさんは煮干しをくれる。

子供や学生はよく遊んでくれた。

当時のワタシはまだ生後2、3ヶ月、遊びたい盛りだった。

この日も数人の学生がエサをもって近づいてきたので愛想良くしていた。

その刹那、伸びてきた手が首の後ろをつかんだ。

そのまま夜の浜辺に連れて行かれた。
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