俺を好きにならないで
「ズっ」


「大丈夫?」


「ごめん、泣きすぎた」



ハンカチで顔を抑えるが、泣き腫らして目は真っ赤だし、化粧は落ちている。


とにかくひどい状態だった。


そんな姿を完全に深見くんには見られたわけで……私は若干落ち込んでいた。



「お手洗い行ってくる……」


「うん。待ってる」



逃げるようにトイレに駆け込み、自分の顔の状態を確認。


だいぶひどい。


こんな顔を深見くんの前で晒していたなんて、本当に落ち込む。


っと、あまり深見くんを待たせるのも申し訳ないからさっさと済ませよう。


化粧道具を手に自分の顔の再構築(化粧直し)を始めた。
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