俺を好きにならないで
「美紅、先に俺の部屋に行ってて。2階の1番奥の部屋だから」


「うん。分かった」



深見くんはリビングへ私は彼に言われた通りに2階の1番奥の部屋へと足を運んだ。


男の人の部屋に初めて入る。


部屋の中は至ってシンプルだった。


程よくものが置いてあり、生活感のある空間だが、ごちゃごちゃしておらず、綺麗な部屋だと感じた。


ここで深見くんは生活しているんだな。


ついつい周りをキョロキョロとしてしまって落ち着かない。



「あんまりキョロキョロしないで」


「あ、深見くんおかえり」


「うん、ただいま」



戻ってきた深見くんの手には温かい紅茶と先程買ったケーキがあった。



「なんだかいいね。部屋に戻ってきたらおかえりって言われるの」


「そう……かな?」


「紅茶入れてきた。飲む?」


「うん!ありがとう」



深見くんが持ってきた紅茶と先程買ったケーキをテーブルに置き、私達は隣同士で腰をかけた。
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