16% jsdr
久しぶりに会う度に痩せていくのが、分かった。細くなっていく佑也の手首を握る度に、涙を堪えた。
目に見えて弱っていく、そんな佑也を見るのは正直辛かった。それでも会わない日はもっと、もっと辛かった。

薬の副作用で、悪感や脱毛。

ある日、君は言った。

「笑うなや?」

深く被っていたニットの帽子を取れば、髪の毛を全て剃った君の頭。

君の最高の笑顔に釣られ、あたしも笑った。お互い、笑い合うのに懐かしさを感じた。

「笑うなって言ったべ」

少し拗ねたような佑也。佑也は続けて言った。

「お前、まだ笑えんじゃん」
< 16 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop