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涙が出たのは、切なかったからじゃない。
佑也が触れたところから、佑也の低い体温が伝わって、佑也が生きていることが、嬉しくて堪らなかったから。

あたしが泣いて、佑也は笑ってた。

きっと、あたしが思ってること、全部伝わったからだ。
優しい笑顔だったから。

佑也はそれからすぐ、入院することになった。佑也の言った通り、少し遠い病院に時間があれば足を運んだ。
取り立ての免許を武器に、輝の運転で、峠をいくつか越えて、佑也の居る場所へ向かった。
真夜中に病院に行って、こっそり佑也の病室に入って、驚かすのが楽しかった。
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