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「俺が死んだ日より、俺の誕生日を覚えてろよ」

「うん」

「忘れるなよ」

「うん」

暦は冬。もう少しで佑也の誕生日。

外では雪が降っていて、病室のヒーターの音と、佑也に繋がれた機械の音が響く中、あたしが恐れていることを余りにも綺麗に言った佑也。
あたしは何も言えなくなって、ただ繋いだ手に力を込めた。

途中で心が泣いているのに気付いたけど、佑也に気付かれないように必死に隠した。

きっとあたしたちには明日がある。どれだけ不確定でも佑也と居ればそう思えた。

不安で毎日が押しつぶされそうだった。学校に行って、くだらない授業は上の空。家に帰れば、次に佑也に会える日を探した。
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