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何度か遊びに来た。佑也の弟と妹が出迎えてくれた。
佑也が寝ていて、翔と彩香が泣き出した。“あぁ事実なんだ”って悲壮感が湧いた。輝と彩香が佑也の両親と話してて、あたしは佑也に触れようと手を伸ばした。

いつもの低い体温と、やる気のない声と、鋭い目つきと……。もう全て、なくなってしまった。
佑也に触れても体温が感じられなくて、不意に涙が溢れた。
認めたくない今と、蘇る過去が後押しするように流れ続けた。佑也を見ることが出来なくなったあたしに、佑也のお母さんが言った。

「傍にいて、手を握ってあげて?顔見てあげて?」

言う通りに、佑也の手を握っても伝わってこない体温に、言葉が出なかった。
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