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佑也が頭から離れなかった。やっぱりあたしは、伝えられることの出来ない想いを抱えて生きていくしかないんだ。

泣き疲れて、目の前もかすれて、声も出なくなった。

時間は深夜0時。部屋の電話が光った。隆平の仕事が終わる時間、家族にとられる前に受話器を取った。

“もしもし”。泣き過ぎて声が出なくなったあたしに、受話器の向こうで隆平が言った。

『麻衣、泣いてる?』

「泣いてない」

やっと出した声はかすれてて、泣いているのは隆平に伝わった。それでも隆平は強がるあたしを見てくれた。

『電話くれたけど、なんかあった?』

「…………」

話したいことをまとめられない。
駿平のこと、佑也のこと。

『駿から聞いたんだろ?付き合ってる人が居るって。で、麻衣は駿が好きなんだろ?』

「分かんない。何にも分かんない」

かすれる声で必死に感情を吐き出した。
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