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「……」

正樹は何も言わなくなったけど、分かってた。
正樹が付き合い始めのときに言ってくれたこと、あたし忘れてなかった。
だから少し試した。

“俺がもし、別れようって言っても嫌だって言えよ”

正樹も嫌だって言ってくれることを少しだけ期待してた。
でもやっぱりおしまい。

「お前がそーゆーんなら終わり。じゃーな」

最悪の別れだった。
思い返せば6ヶ月前、出会いも最悪だったけど、それもいい思い出だと思ってた。
なんだかんだ、我慢できなかったんじゃなくて、確かめたかっただけなのに自己嫌悪した。

自分で切り出した別れ。
後悔なんかしちゃいけなかった。
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