好きって言えよ、バカ。



「絃ちゃん、本当だいすき!」



「ちょ、ちょっとっ!」



ギュッと抱きしめられた私は、身動きも取れずただ顔を赤く染める。



隣で瞳が「きゃっ」と声を漏らしていた。



ニヤニヤしてないで、助けてよ瞳っ!



そんな視線を瞳に向けるも、小さく"嫌よ"と唇を動かしていた。



その……ね?



周りからの視線が痛いんだよ。



そりゃあ、イケメンに抱きしめられちゃってるわけだから、嫉妬の目を向けられるのも無理はない。



「ねぇ、絃ちゃん」



「ふぇっ!?」



突然抱きしめられたまま耳元で囁かれて、体がピクリと反応する。



葵くんはそんな私をちらっと見て、ふふっと笑う。



普段は可愛いのに、ふと男の子の色っぽさを出す葵くんはずるい。



< 137 / 306 >

この作品をシェア

pagetop