好きって言えよ、バカ。




「そうしたいのは山々なんだけど……部活だから、ごめんね絃ちゃん」



「俺も前から決めてたことだし、蓮に任せるのは癪だけど、仕方ない」



「そ、そんなぁ……」



無理なことは承知だったけれど。



まだ望みを捨てたくはなかった。



「……あ、そうだ」



もう一つだけ、手がある。



友達の瞳!



2日間くらいなら泊めてくれるかもしれない。



また迷惑かけちゃうけど、お詫びはまた今度。



思い立ったら即行動。



スマホのアプリを起動させて、瞳に電話をかける。



メッセージの返事を気長に待っていられるほど、落ち着いてはいられない。



< 71 / 306 >

この作品をシェア

pagetop