好きって言えよ、バカ。




「……んっ……!?」



そんな甘い言葉を囁かれて、唇が重なったのは……



たまたまなのか、狙ったのか。



私たちの乗るゴンドラが頂上に達した時だった。



「れ、蓮くん……顔真っ赤」



離れてから、周りのライトで一瞬見えた蓮くんの頬は、見たことがないほどに真っ赤に染まっていた。



「気のせいだよ、バーカ」



「嘘つき」



観覧車の効果なのか、夜景の効果なのか……



突然キスされたのに、怒る気にはなれなかった。



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