好きって言えよ、バカ。
「わぁっ」
そこには綺麗な夜景が広がっていた。
もしかして、いいところって……
日が落ち始めてから、この観覧車に連れてきてくれた理由って……
「蓮くん、これを見せようとしてくれてたの?」
「あぁ。こういうの好きだろ、お前」
「うん、好き」
キラキラと光きらめくその夜景は、感動するには十分。
「ありがとう、蓮くん」
バッと振り向いて、蓮くんにお礼を言った。
嬉しくて、思わず笑顔になった。
「絃」
「……っ」
いつも、私を呼ぶ時は"お前"が遠くて、滅多に名前を呼んでくれない蓮くん。
不意に呼ばれると、ドキッとしてしまう。
「早く俺を好きになれよ」