契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
悠さんと休みが重なった週末、私たちはショッピングモールに来ていた。

「悠さん、ありましたよ!」

お目当ては旅行代理店。

『結婚』と言えば結婚式と新婚旅行だということを、私は『契約結婚』という名にとらわれてすっかり忘れていたのだ。

実際、結婚指輪だって悠さんにもらうまで忘れていた。

悠さん自身は、『しょせん契約結婚なのに凜はそんなことまでしたくないんじゃないか』と遠慮していたそうだ。

悠さんは忙しいから長い休みが取れない。

だから、ハードスケジュールにはなるけど、近場のグアムで挙式がてら新婚旅行を兼ねてもいいんじゃないかという話になったのだ。

まだ予定は漠然としているから、『海外ウェディング』と書かれているパンフレットを片っ端からケースから抜き取って持ってきた。

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